日本の結婚式の歴史
結婚式の起源は日本神話にあり
日本の結婚式のはじまりは、『古事記』『日本書記』に描かれた伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)の国生み神話にあると言われています。
天の御柱を伊邪那岐命が左から、伊邪那美命が右からまわり、出会ったところで「かわいい娘よ」「いとしい方よ」と呼び合って結ばれたという場面が、結婚式の起源とされています。
平安時代は妻の家に通い婚が主流
平安時代は男性が女性の家に通うのが一般的で、結婚する際は妻のもとに3夜続けて通わなければなりませんでした。
その間女性の家では夫とその従者をもてなし、3日目に「露顕(ところあらわし)」という宴を開きました。
これは現在の披露宴のようなもので、新郎新婦のお披露目が行われていました。
江戸時代の祝言は午後9時スタート
江戸時代は「祝言(しゅうげん)」という家で行う結婚式が中心でした。身内と仲人だけの簡素な祝いの席がもうけられ、新婚生活の初日の夜9時頃から行われていました。
武家は結婚と同時に嫁ぎ先で暮らす「嫁入り婚」なのに対し、一般庶民は婿が妻の実家でしばらく生活する「婿入り婚」が大多数。
夫の家に嫁入りするのは、姑から家事一切を任されるとき。その際に親戚縁者を招いて嫁のお披露目を兼ねた祝宴を開いていたといいます。
神前式は明治時代生まれ
1885年に日本ではじめて正式な結婚式として規定されたのは仏前結婚式でしたが、普及したのは神前結婚式のほう。そこにはロイヤルウエディングの影響があったようです。
1900年、嘉仁親王と九条節子公爵令嬢(後の大正天皇と貞明皇后)は皇族の慣例に従い、神の前で夫婦の誓いをたてる「結婚の儀」のもとで結ばれました。
すると市民から神前挙式の要望が高まり、東京大神宮(当時は神宮奉賛会)が一般向けに結婚の儀式を新たにつくりました。この様式が一般に広まり、現在の神前式が定着しました。