結婚の女神の伝説

スズラン

「結婚」という言葉を聞いて連想する言葉って、やっぱり『ジューンブライド』ですよね。

 

「ジューン・ブライド」と言えば、幸せな結婚の代名詞ですもんね。

 

私が「ジューンブライド」という言葉を聞いて思い浮かべるのは、澄み渡った空の下、芝生の上で幸せそうに微笑みながら、純白のウエディングドレスを着た花嫁さんの姿です。

 

 というのも、「ジューン・ブライド」にこだわりを持っていた友人が、海の見える、広い芝生がとってもきれいなテーマパークを一部貸し切り、純白のウエディングドレスを身に纏って、とってもステキな結婚式を挙げたのです。
本当に幸せ一杯の結婚式で、参列した私たちまで心から幸せな気持ちになるステキな式だったので、とても印象が強いです。

 

「幸せな結婚」=「ジューンブライド」

 女性なら誰でも「幸せな結婚」=「ジューン・ブライド」に憧れがあると思いますが、そもそも「ジューン・ブライド」って、「6月に結婚した花嫁は幸せになれる」という言い伝えのようなものですよね。

 

私は星が好きなので、星座にまつわる話を知りたくて、ギリシャ神話を読んだことがあるのですが、たしか、6月は「ジュノー(Juno)」(ギリシャ語では「ヘラ」)という女神の名前が由来でしたね。
しかも、ジュノー(ヘラ)はゼウスの正妻で、結婚と母性、貞節、結婚生活を司る女神なんです。



シミを消してゴールイン


女神ジュノー(ヘラ)

ジュノーのお話はとても面白いんですよ。元々ジュノーは、美の女神アフロディテに負けないくらいの美女だったんです。

 

そんなジュノーに、最高神であるゼウスがゾッコンになって、ジュノーが好きだった鳥に化けて会いに行ったり、あの手この手で愛を囁くのですが、ゼウスにはすでに2人も奥さんがいたので、ジュノーは全く相手にしませんでした。

 

なかなか首を縦にふってくれないジュノーに、ゼウスはますますゾッコンになっていきます。

 

計算していたわけではないのでしょうが、そこまでゾッコンにさせるジュノーは、天性の魔性というか・・・あやかりたいものですね!

 

さて、ゼウスは、どうしたら自分の愛を受け入れてくれるかジュノーに尋ねたところ、正妻にしてくれるなら考えると答えました。
2人の奥さんとは正式に結婚していたわけではなかったので、喜んで正妻にすると約束しました。

 

そして、ゼウスとジュノーの結婚式が、ギリシャ全土で盛大に行われ、ゼウスとジュノーは永遠の愛を誓ったのです。

これが、結婚式の始まりと言われているんですよ。

 

そして、ジュノーのおかげで、妻の立場や権利が守られるようになったと言われています。
神様の結婚式が、今の結婚式の始まりだなんて、ロマンティックですよね。

 

そんなジュノーの名が由来の6月に結婚すれば、ジュノーのご加護を受けて、生涯幸せになれると言い伝えられているのが「ジューン・ブライド」(6月の結婚)です。

 

浮気夫とやきもち女房

女性の結婚と家庭をつかさどる女神ジュノーは、ギリシア神話のヘラと同一視されています。

 

女神ヘラの名は古典ギリシア語で「貴婦人」「女主人」「高貴な女性」を指します。

 

ギリシア神話では婚姻と母性、貞節をつかさどる永遠の美女であると同時に、非常に嫉妬深い女性として描かれています。

 

有名なエピソードはヘラクレスの受難です。ヘラクレスはゼウスが人間の女性との間にもうけた子どもです。

 

 

しかもゼウスは半神半人の我が子に不死の力を与えようとして、眠っているヘラのもとに忍び込み、こっそりお乳を吸わせます。そんなことがあって、いっそうヘラクレスはヘラに憎まれ、さまざまな苦しみを与えられます。
もっとも残酷だったのは、ヘラクレスに狂気を吹き込み、最愛の我が子を炎の中に投げ込んで殺させたことでしょう。

 

この事件後、妻も悲しみの余り自殺し、ヘラクレスはあえて苦難の道を進む贖罪の人生を送るのです。

 

 

ヘラクレスとの因縁は祖先にまでさかのぼる

実はヘラクレスの祖先には、ヘラの侍女だったイオという女性がいます。

 

清らかな美少女だったイオにゼウスは目をつけ、ヘラに見つからないようイオを牝牛に変えて隠しておきました。ところがヘラはそれを見つけ、牝牛を奪って百眼の怪物アルゴスに見張らせたのです。

 

ゼウスは家臣にイオを助け出させますが、怒ったヘラは毒アブで牝牛を刺し続ける猛攻撃をしかけます。苦しみ逃げ惑うイオの姿に、ついにゼウスはヘラにワビを入れ、人間の姿に戻してあげました。

 

その後、イオが生んだゼウスの子どもがペルセウスとヘラクレスへとつながっていくのです。

 

 

ド派手な夫婦ゲンカ

どんなに夫が浮気性でも自身は貞節を守ったヘラですが、一度ゼウスに愛想をつかして家出をしたことがあります

 

浮気者のクセに妻に逃げられるのは絶対にイヤというゼウスは、ある計画を実行します。

 

 

家出したヘラの耳に、ゼウスが新しい妻をお披露目するという噂が入ってきます。嫉妬に狂ったヘラは神殿に乗り込み、新妻の花嫁衣裳をはぎ取ります。ところが、よく見ると花嫁は人形。
これはゼウスがヘラを連れ戻すための芝居だったというわけ。

 

また、ヘラクレスへの意地悪が過ぎたヘラに対して、ゼウスが山の上に宙吊りにしておしおきしたというエピソードもあります。